2026年2月1日(日)
開催場所:安曇野市 ビレッジ安曇野
2月1日(日)ビレッジ安曇野で指導者研修会がかいさいされました。今回は、これからのスカウト活動に必要なAISについて学びを深めました。


Session 1
🧭 ボランティア精神と「承認」のサイクル
ボランティア活動を「無償の労働」として捉えてしまうと、心身ともに疲弊してしまいます。活動を「価値ある時間」にするためには、指導者自身の承認欲求を正しく満たす仕組みが必要です。
1. 「労働」から「自己研鑽」への転換
単なる作業(労働)ではなく、スカウトの成長に寄与しているという実感を持てるよう、活動の「意味」を常に共有することが大切です。
2. 承認欲求をエネルギーに変える
「誰かに認められたい」という欲求は、ボランティアにとって最大の原動力です。これを「わがまま」と捉えず、**「貢献を可視化するチャンス」**と捉えましょう。団委員長がその努力を見逃さないことが、指導者のモチベーションを支えます。
🎯 褒めるための「目標設定」と評価
評価は「裁くため」ではなく、**「褒めるポイントを見つけるため」**に行います。あらかじめ目標を立てることで、達成した瞬間に「お疲れ様!素晴らしいね」と言える根拠が生まれます。
評価をポジティブに運用するコツ
- 具体的で小さな目標(スモールステップ): 「スカウト全員と1回は深く話す」など、達成しやすく評価しやすい項目を設定します。
- プロセス評価: 結果だけでなく、準備段階での工夫や、他の指導者へのサポートなど、目に見えにくい貢献を評価の対象にします。
- アピールの場を作る: 団会議などで「〇〇隊長が今回取り入れた工夫」を具体的に紹介し、周囲からの称賛を集める環境を整えます。
🤝 団委員長と隊指導者の「面談」メソッド
面談は、任務を押し付ける場ではなく、**「伴走者としての対話」**の場です。以下の3つの柱を意識することで、共通認識が深まります。
面談で押さえるべき3つのポイント
- 任務(ミッション)の明確化: 「何をしてほしいか」だけでなく、「なぜあなたにお願いしたいのか」という期待を伝えます。
- 貢献の認識と称賛: 過去の活動を振り返り、「あの時のあの行動が助かった」と具体的に感謝を伝えます。
- 共通認識の形成: 団のビジョンと、隊指導者がやりたいことの接点を見つけ、同じ方向を向けるように調整します。
📊 面談と評価の構造まとめ
指導者が「この団で活動してよかった」と感じるための、面談のフレームワークです。
| 項目 | 目的 | 具体的なアプローチ |
| アイスブレイク | 緊張を解き、本音を引き出す | 最近の活動で一番楽しかった瞬間を尋ねる |
| 目標の確認 | 期待値のズレをなくす | 「今期、特に力を入れたいこと」を言語化する |
| フィードバック | 承認と感謝を伝える | 具体的なエピソードを交えて「ありがとう」を言う |
| リソース支援 | 負担を軽減する | 「困っていること、団として手伝えること」を確認する |
💡 成功させるためのヒント
面談の最後には、必ず**「次回の楽しみ」**を共有してください。「次のキャンプでは、あなたのあのプログラムが見られるのを楽しみにしています」といった一言が、指導者の時間を「有意義な時間」へと変える魔法になります。
団委員長が「最大の理解者」であり「最高のファン」であることを示すことで、ボランティアチームの絆はより強固なものになるでしょう。
Session 2
🤝 リーダーとしての「聴く」マインドセット
リーダーが陥りやすい罠は「何か良いアドバイスをして解決しなければ」という焦りです。まずは「解決モード」をオフにすることから始めましょう。
1. バイスティックの7原則を「お守り」にする
特に年長者との面談では、以下の3つが鍵となります。
- 非審判的態度: 「それは違います」と否定せず、まずは相手の正義を受け止める。
- 自己決定の尊重: 答えを提示せず、相手が「こうしたい」と言うのを待つ。
- 個別化: 「最近の若い人は」「ベテランは」といった主観を捨て、目の前の「その人」を見る。
2. 「解決しない」という勇気
話を聞いた結果、解決できない問題が出てきても構いません。むしろ、安易な解決策は新たな問題を生むこともあります。「あなたの状況を私は理解しました」という共感そのものが、相手にとっての報酬(承認)になります。
💬 面談をスムーズに進める「5つのステップ」
何を話せばいいか迷ったときは、以下の順番で問いかけてみてください。具体的な事実から入り、徐々に深い価値観へと移行するこの流れは、相手の心の準備を整えます。
| ステップ | 問いかけの焦点 | 具体的な質問例 |
| 1. 事実・経験 | 客観的な出来事 | 「この1ヶ月、どんな活動がありましたか?」 |
| 2. 印象・感情 | 心の動き | 「その時、どんなお気持ちでしたか?」 |
| 3. 思考・考察 | 理由や意図 | 「なぜ、その方法が良いと考えたのですか?」 |
| 4. 価値原理 | 大切にしていること | 「活動において、一番譲れないポイントは何ですか?」 |
| 5. 行動決定 | 次のアクション | 「次に向けて、まず何から始めてみましょうか?」 |
📐 リラックスを生む「場」のデザイン
言葉以上に、視覚的な情報(ノンバーバル・コミュニケーション)が相手の安心感を左右します。
🪑 座り方:90度型がベスト
- 対面(正面): 視線がぶつかり、圧迫感や敵対心を生みやすい。
- 90度型(L字): 同じ方向を向きつつ、顔も見られる。最もリラックスできる配置です。
- 対面から5cmずれる: 正面しか選べない場合は、少し椅子をずらすだけで心理的な「逃げ道」ができます。
👀 視線のコントロール
- 50%のぼんやり視線: 相手を凝視せず、顔全体を柔らかく眺めるイメージです。
- 視線を外す技術: 相手が考え込んでいる時は、あえて視線を下に落とし、相手の思考を邪魔しないようにします。
💡 オープンダイアログの精神を取り入れる
「オープンダイアログ(開かれた対話)」のアプローチで最も大切なのは、**「結論を急がないこと」**です。
若いリーダーが「評価」という立場に立つと、どうしても「まとめ」に入りたくなります。しかし、多様な人々が集まるボランティア組織では、「対話が続いている状態」そのものが組織の健全さを表します。
メラビアンの法則を味方につける
言葉の内容(7%)よりも、あなたの**表情や声のトーン(38%)、しぐさ(55%)**が「私はあなたを尊重しています」というメッセージを伝えます。頷き一つ、相槌一つに「寄り添い」を込めるだけで、面談の質は劇的に変わります。
このステップを意識することで、評価は「査定」ではなく、お互いの信頼を深める「儀式」へと進化していくはずです。
Session 3
【要約】ボーイスカウト講習会:目標設定と面談のポイント
1. 団委員長としての面談の心得
面談は「査定」ではなく、リーダーの「成長支援と感謝の共有」の場です。
- アプローチ: 決めつけず、客観的な事実に基づき、指導者の自発的な意見を引き出す。
- 確認事項: 隊運営の悩み、私生活とのバランス、研修への意欲、必要なサポートの有無。
- 団の支援: 安全対策、任期と後継者問題、リーダーが「何をしたいか」を明確にする。
- 環境作り: 厳粛な場より、喫茶店などの和やかな雰囲気で、1対1の時間を確保する。
2. 隊長との対話で深めるべき内容
隊長が抱える現場特有の課題を吸い上げ、孤立させないことが重要です。
- 現場の状況: 保護者からの要望、スカウトの成長と個性、プログラムの展開場所。
- 運営と連携: リーダー間の相互連絡、引き継ぎ相談、県連・日連との連絡網整備。
- メンタルケア: 隊長のメンタル負担や資金面への配慮。
- 退団防止: スカウトを辞めさせないための具体的な相談。
3. リクルートと自己研鑽(マインドセット)
「説得」ではなく、相手に「羨ましい」と思われる存在になることを目指します。
- リクルートの極意: 必死に勧誘するより、自分が活動を楽しんでいる姿をアピールする。相手の疑問に答えるだけでなく、相手に言葉にさせることで共感を生む。
- 自身の変化: 「キラキラと頑張っている人」になり、正直な気持ちと笑顔で接する。
- アクションプラン: 大きな目標でなくて良い。AISの継続や、小さな目標を一つ決めて「とりあえずやってみる」ことが、自分自身の成長(自己研鑽)に繋がる。
まとめの一言
「面談と面接は違う」
企業の業績査定とは異なり、ボーイスカウトの面談は「貢献への称賛」と「活動の継続」のためにあります。対話を通じて、指導者が「再び成長したい」と思える動機付けを行うことが、団の活性化の鍵となります。

